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循環器科とは?

循環器科はおもに心臓病や血管の病気の専門科です。高血圧、糖尿病、喫煙習慣、高脂血症などの循環器疾患のリスクの大きい人は、定期的に循環器科の診察と指導を受けると無難です。

おもな対象疾患は?

おもな対象疾患は、「虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞など)」、「心臓弁膜症」、「不整脈」、「拡張型心筋症や肥大型心筋症」、「感染性心内膜炎」、「心筋炎」、「心膜炎」、「いろいろな基礎疾患による心不全」などの心臓疾患や、「高血圧症」、「大動脈瘤」、「静脈血栓症」、「心臓由来の動脈塞栓(脳塞栓症)」、「肺梗塞」などです。これらを診断し、他の疾患と鑑別し、治療や再発予防を行います。動脈硬化の合併症としておこる病気が多いので、動脈硬化を促進する「糖尿病」、「高脂血症」や心臓内にできた血の塊(血栓)が流れて、脳動脈がつまり起こる「脳梗塞(脳塞栓)」なども関連疾患として、同時に診察・治療する機会が多いです。

心房細動について

心房細動ってどんな病気?原因は?

心房細動は不整脈の1つです!

心房細動は、心臓の動きが突然激しくなったり、滞ったり、乱れたりする「不整脈」の1つです。 心臓には、左右にそれぞれ「心室」と「心房」と呼ばれる部屋があります。心房がぶるぶると細かく震え、心臓が規則正しく動かない状態を「心房細動」と言います。

心臓の病気、高血圧、糖尿病などが原因に!

心房細動の原因には、大きく分けて2つあります。1つは、高血圧や糖尿病、心臓の病気などが原因です。もう1つは生活習慣です。それ以外に、ストレスや加齢も原因となります。

心房細動の症状は?

心房細動の症状は人によって異なります。

「ドキドキする」、「脈が飛ぶ」、「息が切れる」などの症状がみられる人もいますが、全く症状がない人もいます。また、心房細動になっても、時間がたってもとまらない人がいます。心房細動の症状は人によって異なるのです。

心房細動は脳梗塞を引き起こす可能性があります!

心房細動の症状は人によって異なります。

心房細動そのものは、生命の危険を伴うものではありません。しかし、心房細動によって脳梗塞が引き起こされる危険性があることから、心房細動患者さんは脳梗塞を予防することが重要です。

心房細動の診断法は?

心房細動の症状や心臓の状態、心臓以外の病気がないか調べます。

心房細動の治療はどのようにしますか?

心房細動の治療は3つのステップで行ないます。

心房細動の治療ステップ1心房細動の原因を取り除きます。

生活習慣を改善し、高血圧や糖尿病など、原因となる病気をしっかり治療しましょう

まずは、生活習慣を改善しましょう。ストレス解消法をみつける、アルコールを控える、睡眠を十分にとるなど、健康的な生活を心がけましょう。また、高血圧や糖尿病などがある場合には、食事療法や運動療法、お薬による治療を行います。

心房細動の治療ステップ2脳梗塞を予防します。

心臓で血液が固まるのを防ぎましょう

心房細動が起こると、心臓から血液がうまく流れなくなります。 これによって、心臓のなかに血液のかたまり(血栓)ができてしまいます。この血栓が脳に運ばれて、脳の血管がつまると脳梗塞になります。心臓で作られた血栓は大きく、脳の太い血管をつまらせるので、時には死に至ることや身体に大きな障害が残る場合もあります。

脳梗塞になりやすい心房細動患者さんは、予防が必要です

心房細動患者さんのなかでも、高齢(65歳以上)で、高血圧や心不全、糖尿病、脳梗塞になったことがある方は、脳梗塞になりやすいと言われています。脳梗塞の予防のためには、血液を固まりにくくする「抗凝固薬」というお薬を飲みます。お薬によっては、食事の制限や他のお薬との飲み合わせに注意が必要な場合があるので、気になる方はご相談ください。

心房細動の治療ステップ3心房細動そのものを治療します。

ドキドキ感などの症状を鎮めます

心房細動によるドキドキ感などの症状を鎮める方法には、リズムコントロールとレートコントロールの2つがあります。

リズムコントロール

心房細動を止めたり、発作が起きないようにするために、「抗不整脈薬」というお薬を飲みます。お薬による治療のほかに、カテーテルと呼ばれる細い管を血管に通して心臓まで運び、心房細動の原因となっている場所に電流を流して治療するカテーテル·アプレーションという治療もあります。

レートコントロール

心拍数を整えることを目的とした治療です。心拍数や脈拍数を下げるお薬を使って、ドキドキ感や息切れなどの症状をやわらげます。

治療を選ぶ時には、その治療が向いているかどうか、心房細動による症状の日常生活への影響度、また、治療のリスクをどの程度まで受け入れることができるかなどを考えることが大切です。よく相談しながら、皆さんに合った心房細動の治療を進めて行きましょう!

心不全について

収縮不全に加え、拡張不全も

心不全では、病名ではなく、心臓のポンプとしての機能が低下して、全身の臓器が必要とする血液を十分に提供できなくなった状態のことです。原因としては、心筋梗塞や心筋症、弁膜症など、心臓の機能を低下させる病気などが考えられます。これまで、心不全の多くは、左心室の収縮機能が低下し、十分な血液を送り出すことができなくなる「収縮不全」と考えられていました。しかし、最近の研究から、高齢者では、心不全の症状があるにもかかわらず、 収縮機能は正常に保たれた「拡張不全」というタイプの心不全が多いことが分かってきました。拡張不全は、高齢者、女性、基礎疾患として高血圧·糖尿病·心臓の病気などを持っている人に多いという特徴があります。通常の検査では見つかりにくく、放置したまま重症化してしまうこともあり、収縮機能が正常だからといって決して安心はできません。

診断

拡張不全かどうかは、心エコー検査や血液検査の脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)測定などによって診断します。

治療

初期段階に気づけば、多くの場合、お薬だけで症状の改善することができます。治療薬としては、血管を広げ、心臓の血流を改善させる硝酸薬、尿の排泄を促進する利尿薬のほか、ACE阻害薬やARBなどのレニン·アンジオテンシン系阻害薬が用いられます。

こんな症状ありませんか?

心不全では、心臓だけでなく、全身にさまざまな症状が現れます。代表的な症状は、息切れ、動悸、むくみなどです。初期のうちは、階段や坂道を登ったときに息切れがする程度ですが、症状が進行すると、安静にしていても息苦しくなります。動悸や息切れは、心不全だけでなく、狭心症や不整脈、さらに呼吸器疾患など心臓以外の病気も疑われますので、わずかな症状も見逃さず、早めに医療機関を受診しましょう。

日本人に多い冠攣縮(かんれんしゅく)性狭心症

運動負荷心電図では分からない!突然死にもつながる!!

狭心症は、心臓に酸素や栄養を送っている冠動脈が狭くなって、一時的に心臓に十分な血液が行き届かなくなる病気で、胸痛や圧迫感などの症状が起こります。冠動脈が狭くなる原因によって、労作性狭心症と冠攣縮性狭心症の二つに大別されます。労作性狭心症が運動などの動作をした時に起こるのに対し、冠攣縮性狭心症は、就寝中などの安静時も起こるため、安静狭心症と呼ばれることもあります。「冠攣縮」とは冠動脈のけいれんのことで、瞬間的に起こるため、病院で心電図検査を行なってもほとんど見つかりません。しかし、狭心症の6割に冠攣縮が関与しているといわれ、突然死も起こす恐ろしい病気であり、さらに日本人の冠攣縮性狭心症は欧米人に比べて約3倍多いといわれていることからも、早期発見、早期治療が大切です。

こんな人は要注意!!

冠攣縮は男性に起こりやすく、特に喫煙は大きな危険因子であることがわかっていますので、まずは禁煙を心がけてください。そのほか、不眠、過労、ストレス、アルコールの飲みすぎなども発作の誘因となります。これらは、動脈硬化を進める原因にもなりますので、生活習慣を見直し、改善するように努力しましょう。

労作性狭心症

走ったり、階段を登ったり、運動量が多くなった時に発作が起こります。

動脈硬化が進み、冠動脈の一部が狭くなっているため、運動によって心臓の筋肉に酸素が必要になったとき、それに見合う量の酸素の供給ができなくなります。

冠攣縮性狭心症安静狭心症

夜間や早朝、朝方などの安静時に発作がおこります。

冠動脈の一部分がけいれん(スパズム)を起こして急に縮んでしまい、心臓の筋肉へ酸素が供給できなくなります。けいれんが起こる原因は種々様々です。

こんな症状ありませんか?

夜間や早朝、朝方に発作が起きる

安静にしていても動悸·息切れがする

圧迫感がある

冷や汗が出る

失神する

冠攣縮性狭心症の症状はさまざまです。「心臓が何かおかしい」と感じたら、医師に相談しましょう。※ 冠攣縮性狭心症かどうか、アセチルコリンやエルゴノビンを用いたカルーテル検査によって見つけることができます。

冠攣縮を予防するために

冠攣縮性狭心症と診断されたら、硝酸薬やカルシウム拮抗薬などのお薬によって、冠攣縮を予防する治療を行ないます。冠攣縮が疑われる場合は、ステント治療後も薬物治療が必要です。お薬の飲み忘れや自己判断で中止することがないよう、医師の指示を守って正しく服用することが大切です。また、狭心症の発作を起こしたことがある人は、ニトログリセリンの舌下錠やスプレーを常に携帯しましょう。

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